寄生獣(実は「人間こそが悪魔ではないか」「私たちはこのままでいいのか?」と疑問を突き付ける快作)

寄生獣(完全版)(1) (アフタヌーンKCDX (1664))
本作の主人公であるシンイチは、突然、宇宙から飛来した謎の生命体に右手を食べられてしまいます。
シンイチはその謎の生命体をミギーと名付けて、ひとつの体に2つの意思があるという不思議な同居(?)生活が開始されますが・・・・。
この謎の生命体=寄生獣は、なんと人間に寄生し、身体を乗っ取って他の人間を喰べてしまうのです。
寄生獣による多発する殺人事件を世の中ではミンチ殺人と呼び、シンイチの毎日は恐怖に染まっていきます。
突然、激しく残虐な場面が日常生活を描いていく中に挿入されてきます。
ごくごく普通の人の生活をしている人たちが突然、ミンチのようになって殺されます。
まるで、平和が当然だと思っている我々がいきなり直面した、東日本大震災や原発事故、そして多発する行きずり殺人、エイズや薬害 のように日常を一気に崩しさる恐怖が、この寄生獣たちによってもたらされます。
しかも寄生獣たちは、高い知能を持ち、学習し進化していきます。
本作を読み進めるうちに、人間本位の「地球を守ろう」「環境を保護しよう」「エコな生活」等が
嘘くさく思えてきます。
そして、自分だけは死にたくないという本能や、子孫を残したいという強烈な願望 が人間の本質なのだと
納得できてきます。
それは、他の生命たち(動物も昆虫も魚も木々も)にも当然、共通するわけで、人間はこの地球に住む無数の生物の中のひとつの種に過ぎないんだな、と理解できます。
実は「人間こそが悪魔ではないか」「私たちはこのままでいいのか?」という疑問をもう一度深く考えるきっかけとなる
寄生獣(完全版)(1) (アフタヌーンKCDX (1664))
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カテゴリ : 笑える・泣ける本・漫画